星川杉山神社

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宮司さんのおはなし 第22回

ようやく春らしい日差しを感じるようになりました。暦の上では『啓蟄(ケイチツ)』を過ぎ、冬眠していた虫たちも目を覚まして活動を始める季節を迎えます。年明けの初詣で今年一年のご祈願をされたみなさんのなかにも、これからが本番、と感じている方がいらっしゃるのではないでしょうか。

また、初詣では「今年は厄年だから」と厄祓いのご祈祷を受けられた方も多くいらっしゃいます。そこで今回は、神社へのお問い合わせにも多い『厄年』の過ごし方についてお話ししましょう。厄年とは「人生において災厄の降りかかりやすい年齢」とされるもので、男性では数え歳の25歳、42歳、61歳、女性では13歳、19歳、33歳、37歳がこれに当たります。これらの歳を『本厄』、その前後1年間を『前厄』『後厄』と呼んで、この3年間をまとめて厄年とすることもあります。日本人は古くから、厄年の年齢になると悪いことが起きないよう神さまのご加護を賜ろうと、一年の初めに厄祓いのご祈祷を受けることを慣例にしてきました。

では、なぜこれらの年齢が厄年とされているのでしょうか。厄年だからといって「何もないところから突然に災いが降って湧く」わけではありません。実は、厄年というのは私たちが辿る人生の流れと深い関わりを持っているのです。

たとえば男性の25歳といえば、一般に大学を卒業して3年目。社会人として歩み始めた緊張も解け、仕事に慣れてくる頃です。こういうときには気が緩みがちになるので、思わぬところで失敗したりトラブルに巻き込まれたりする確率が高くなります。また次の厄年に当たる42歳は勤め先での昇進がある頃。今度は人間関係や環境の変化に伴うストレスが溜まりがちになります。気持ちに余裕がなくなるので、無理をして身体を壊したり精神的に鬱々としたりする人も出てくるでしょう。そして最後の61歳では多くの人が定年を迎え、ほっとすると同時にこれまでの疲れがどっと出てきます。そのため、やはり体調を崩したり大きな病気にかかったりする人が増える傾向にあるのです。

このように、男性の厄年は社会的な立場の変化が起こりやすい時期に当たっています。多忙によるストレス、あるいは重圧から解放された気の緩みが大病などを引き起こしやすい状態を作るということでしょう。

一方、女性の厄年は社会的変化よりも身体的変化に基づく場合が多く、そのために男性よりも厄年がひとつ多くなっています。たとえば13歳は初潮を迎える頃で、子供から大人へと身体的に大きく変化する時期です。関西地方では13歳の厄年を『十三参り』と呼んで、ほかの厄年とは分けて考えることもあるようです。

19歳は一般に大学へ進学する頃。成人式を迎える前の喜ばしい時期ではありますが、身体や心に何かと変調をきたす頃でもあります。13歳と同様に、大人になる過程で起こる大きな変化に見舞われる時期なので、気持ちを引き締め、自らを大事にしなければいけません。

33歳と37歳は結婚した女性の多くが出産・子育てを経験する時期で、妻の役割と母の役割が重なるために疲れを溜めやすくなります。厄年を3年間で考えればひとつの厄が終わってから時を経ずして次の厄へ、という流れになりますが、子育てにおいては幼児期から小学校への手のかかる時期、受験など気苦労の多い時期、第二子、第三子の誕生など、この数年間は次々に変化が訪れる期間でもあります。状況がどんどん変わっていくために、これまでにない悩みを抱える人も多いことでしょう。また37歳は身体的な衰えを感じ始める頃でもあるので、こうしたストレスが大病につながりやすい傾向にあります。

このように、総じて厄年は身体的変化と環境的変化の2つの変化が起こりやすい“節目”の年齢に当たっています。変化に戸惑ったりストレスを感じたりして弱気になると外から悪いものが入ってきやすくなりますから、それが災いとして形に表れるのです。言い換えれば、気持ちを強く持ち、自らを慎んで注意深く行動していれば厄災を払いのけることができます。ですから厄祓いのご祈祷を受ける際にも単に神さまのご加護をお願いするのではなく、自分自身を振り返り、改めるべき部分は改めようとしっかり意識することが大切です。

当神社では厄祓いにいらっしゃった方には、仕事や家庭、体調などの面で悩んでいることはありませんかと伺ってからご祈祷を行うようにしています。厄年の方のためのご祈祷のほかにも、災いを跳ねのけて運気を変えたいと願う方のための『開運厄除け』や、新しく家を建てる際などに行う『八方除け』にも応じています。どの場合にも、受けられる方々が神さまのご加護を得て気持ちを新たに、よい節目を迎えられるようご奉仕していますので、何か不安を感じていらっしゃる方はご相談くださればと思います。

悪いことが起こるときというのは、往々にして心に“隙”のあることが多いものです。ですから厄年の方も厄年でない方も、よい状況のときには油断しないよう注意し、よくない状況のときには強い気持ちを持って、人生を切り拓いていきましょう。まずは自分自身を振り返る意識を持つということが、実りある将来への第一歩となるはずです。

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