迷子の亀が絶滅危惧種だったので、皆で清掃活動をした話
事の始まりは、10月22日天皇陛下の即位礼正殿の儀の日です。
諸行事を終えると、突然社殿に亀がいるのを発見しました。
大雨からの突然の青空や皇居にかかる虹など、あの日多くの人が驚いた瑞兆の一つかのような亀の出現。
とはいえ対応が分からずTwitterで募集するもタイミングが合わず、目を離すとなかなかの速さでいなくなりました。
が、2日ほどすると続々と「リュウキュウヤマガメでは?」という声がTwitterで届くようになりました。
国の天然記念物に指定された、絶滅危惧Ⅱ類・・・絶滅の危険が増大している種 です。
その反響に「何かとんでもない間違いをしてしまったのでは・・・」と逃がしたことを職員一同後悔し始めます。
そんな中、カメンチュさんという方から「探させてほしい」とDMとお電話でご連絡をいただきました。
いそうな境内の斜面地は先の大雨で緩んでいたり、かなり木の枝や切り株で生い茂っているばかりか、ケーブルが埋まっている個所もあり、また、境内は手水舎の工事をしています。
何よりケガをされてはいけないし、これを機にいろんな人が立ち入るようになると困る、と丁重にお断りしました。
にもかかわらず様々なカメアドバイスを下さるカメンチュさん。とりあえずアドバイスに1つ従い、掲示板にポスターを貼りました。
そしてお断りした以上、こちらで探そうと、行動時間である夜に神社職員が捜索するも、見つけるのはそう簡単なことではありませんでした。
また、断られてもカメンチュさんは諦めませんでした。
公園側に捜索にいらしているとTwitterで確認。その熱意や、カメンチュさんの日ごろの活動の様子をTwitterで伺い知り、心がちょっと動きました。
それに正直、これから繁忙期を迎える前に、早く解決したいという気持ちもありまして、「境内の清掃しながら亀を探してはどうか」と提案し、社内で承諾を得ました。
実際に今年は思い切って斜面地の間伐を行い視界がすっきりした結果、地面の枝やごみが露わになり、「いつかやらないと」と話には上がっていたのです。
天気もよさそう、ということで神社の職員も参加できる日時として急ながら11/2(土)午前を設定。
ケガに備えて1日保険に加入し、整ったところでカメンチュさんにDMをしました。
「以前より検討しておりました「斜面地の清掃」を行います。枝や落ち葉、ごみを取り除きたいと思います。ご都合よろしければ一緒に如何でしょうか。ついでに亀さんを探すこともできるかと思います。(以下略)」
すると、「ただ探す為だけにそちらにお伺いするのも気持ち的にひっかかるものがありました。清掃に参加させていただきます。宜しくお願いいたします。」
とキチンとした返事をいただきました。こちらの意図がちゃんと伝わっているだけでなく、神社へのリスペクトを感じます。
「たぶん、この方なら大丈夫だろう」と、お会いしたことはないけれども、そう思いました。
前日、明神神楽会の稽古の最後にこのカメ騒動のいきさつ(超盛り上がりました)と「明日清掃を行うから良かったら来てね」と話したら2人が、そして当日はご近所さん1人が参加してくれました。
カメンチュさんと神社職員4名と、助っ人3名の合計8人で清掃(捜索)活動スタート。始める前にお祓いと挨拶とカメンチュさんから亀のいそうな場所の説明。
ローラー作戦的に、皆で上から下に清掃していきます。
途中、ご近所から、神楽会から助っ人が増え、結果的に15名で清掃(捜索)活動。子供達も頑張ってくれました。
皆、カメ探すの忘れてるのでは・・・というくらいの清掃活動ぶりに思わず「あの、、探せてますか?」と何回か声をかけてまわりました。
一度休憩を挟むもすぐに作業に戻る皆さん、この時点で特に枝の量がすごいことに。本当にありがたいことです。
清掃活動だけが順調に進むにつれて・・・なんだか当然のように見つかると思っていたけど大丈夫かな?また(清掃活動)やれば良いかな?やってくれるかな・・・と考え始めた1時間半が経過した頃、カメンチュさんからの
「いました!!!!」
一同?!
ど・・・こ・・に・・・
いたーーーーっ
ホント良く見つけましたね!!!!
皆でカメンチュさんの説明を受けるの図。
警察に連絡するカメンチュさん
想定してきたのだろうなと思うほど、落ち着いてしっかりと対応をして下さいました。
警察官さんへの引き渡し。
どのような亀であるか、そして引き取る以上水に入れたら溺れてしまう亀であること、生餌しか食べないこと(「捕ってきましょうか?ミミズ?」との私の提案は「検討します。」と固辞されました。)などを説明するカメンチュさん。
そして作業に戻る献身。
2時間で集めた枝。このほかに落ち葉やごみがあります。
斜面地が綺麗になっただけでなく、貴重な亀さんまで無事保護することができた、佳い1日でした。
参加された皆さん、誠にありがとうございました。清掃によって綺麗にならなければ見つからなかったはずです。
また、陰ながら心配して下さった皆さんもありがとうございました。
亀柄(身柄)に関しては分かり次第追記します。
しかし、亀への深い愛情なくしては見つからなかったでしょう。カメンチュさん、ホント良く見つけましたね。
今更ですが最後にカメンチュさんの紹介 カメンチュさん Twitter
追記 警察から野毛山動物園に亀柄(身柄)が移送すると報告がありました。これにて一件落着。
再追記 11/5、野毛山動物園で「リュウキュウヤマガメ」と鑑定され、神奈川新聞さんで記事になりました。「沖縄だけにいるカメを横浜の神社で発見 絶滅危惧種」
神社で生息していたわけではなく、違法に飼育されていた可能性を考えると複雑ではありました。
しかし、なかなか険しい斜面地を清掃(ついでに亀捜索)しようと参加して下さった皆さんの志と、亀を愛するカメンチュさんの情熱が報われてそれだけで十分です。
それと本日新しい手水の石が届きました。石屋さんが選んでくれた土台の石がなんと亀甲石。星川杉山神社、亀づいてます。
月別のお知らせ
- 2025年1月
- 2024年12月
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年5月
- 2024年4月
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年2月
- 2019年1月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年8月
- 2018年7月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2018年2月
- 2018年1月
- 2017年12月
- 2017年11月